「お金のために夜職を続けていたけれど、将来が不安になってきた」
「夜職を続けているとどんなデメリットがある?」
夜職は自分の頑張り次第で高収入を得られる仕事です。
しかし、長く続けているうちに正常な金銭感覚や健康を損ないやすく、昼職とのギャップから「このままで良いの?」と不安になることもあるでしょう。
この記事では、このような悩みを持つ人に向けて「夜職で働いたことにより失ったもの」や、「夜職で得られたもの」を解説します。
夜職で失うもの5選
夜職は給料が高く稼ぎやすい反面、金銭感覚や健康をはじめとする大事なものを知らない間に失います。
主に以下の5つが代表例です。
- 金銭感覚
- 健康的な生活
- 健康的なメンタル
- 友人や知人
- 異性への純粋な気持ち
昼職では考えられない金額を稼げてしまったり、昼夜逆転の生活と体力勝負の仕事でストレスを感じたりしやすいのが夜職の特徴。
また、友人や知人ともなかなか時間が合わなくなるほか、異性への気持ちや接し方も変わってきてしまう恐れがあります。
では具体的に見ていきましょう。
金銭感覚
夜職は短い勤務時間で高収入を得られるので、一般的な昼職勤めの人よりも金銭感覚が狂いやすいです。
売れっ子と言われる人でなくても、一日の収入が数万~数十万となることがあり、昼職では考えられない金額を稼ぐことも可能でしょう。
「使った分はまた稼げばいい」という気持ちから、お金に糸目をつけないようになり、一般的な昼職の人とは次第に金銭感覚がズレていくのです。
また、夜職は売上につながる指名客などを増やさなければ、思ったような給料にならない実力主義の世界でもあります。
ストレスが溜まる仕事でもあるので、ブランド品や高級品などの買い物、その他の贅沢で散財が止まらない……という悩みを抱えた人も多いですよね。
狂った金銭感覚や一度上げた生活レベルを元に戻すのは非常に困難です。気づけば貯金は0円という状況もあるかもしれません。
そうならないためにも毎月一定額を貯金したり、家計簿アプリで自分の収入や支出を管理したりして、正常な金銭感覚を失わないようにしましょう。
健康的な生活
夜職は夜型の生活が基本であるため、生活リズムが狂いやすく、疲れやストレスで体調を崩しやすい職業です。
また、毎晩大量のお酒を飲みアフターなどで外食するなど、不健康な生活が続き健康レベルは低下していきます。
こうした不健康な生活を続けていると、体調の悪化を引き起こしたり、胃腸炎などの病気になったりする恐れがあります。
定期検診を受ける、食事や睡眠の質を高めるなどして、などして自己管理をしましょう。
健康的なメンタル
夜職は勤務時間の兼ね合いから日光を浴びる時間が制限されるため、自律神経に悪影響を及ぼし、精神的に落ち込みやすくなる傾向があります。
なぜなら、日光を浴びる時間が少ないとセロトニンの分泌が抑えられてしまい、やる気がなくなってしまうなどの症状が出る場合もあるからです。
また、お酒が苦手でも売上のために飲まざるを得ない、お店にいる時間以外も仕事に費やさなければいけないなど、夜職独特の働き方にストレスを感じる方もいます。
さらにノルマのプレッシャーも強く拘束時間も長いため、常に心の緊張が解けず疲弊してしまうケースもあります。
健康的なメンタルを保つために「1人の時間を確保する」「趣味をつくる」といった時間の使い方は重要です。
友人や知人
友人や知人との時間や縁も夜職では失いやすいです。
なぜなら、夜職は夜勤であるため、友人や知人と遊びや食事の予定を合わせられず、集まりにくくなるからです。
また、金銭感覚の違いから趣味もあわず、不健康な生活による体調不良でドタキャンなどしてしまえば、より交友関係が狭くなるでしょう。
夜職を長く続けていくほど、今まで仲が良かった相手とはほとんど会わず、周りにいるのは同じ店の人や同じ職業の人になります。
同じ店の人は仲間でもありライバルでもあるため、信頼できる人が減り安らぎや素直な自分でいられる場所はないとも言えます。
夜職をしているからこそ、本当に信頼できる人やそばにいてくれる人を大事にしましょう。
異性への純粋な気持ち
夜職は、異性への純粋な気持ちを保つのが困難です。
なぜなら、異性と接することがそのまま仕事であるという感覚になってしまい、お金を抜きにした関係性の構築がしづらくなってしまうからです。
また、時には男女関係なくトイレ処理するなど、普段目にしない光景を多々見てしまう場合もあります。
このように多くの客や従業員を相手にしているうちに理想が崩れたり、価値感と現実の違いにきづいて幻滅したりするのも無理はありません。
お客様がお金に見えてきたら危険信号と判断しましょう。
夜職で得られたもの3選
夜職を職業に選んだことで失ったものだけでなく、得られるものもあります。
夜職の経験を経て得られるものは以下の3つです。
- お金
- 人脈
- コミュニケーション力
お金だけでなく、人脈は立派な自分自身の財産であり、コミュニケーション力はどの業界でも必要とされる重要なスキルです。
これらの3つを得られたことは、これからの人生において重要になります。
なぜそれらを得ることが重要なのか詳しく見ていきましょう。
お金
夜職は昼職に比べ収入が多くなりやすい職業です。
結果さえ出せれば効率的にお金を稼ぐことができ、夜職で大学の学費を稼いだり、副業にしたりする人もいます。
お金があれば生活にも心にも余裕ができるでしょう。
人脈
夜職は、さまざまな人脈を得られるチャンスの多い職業です。
経営者や著名人と接点を持つことで、そこからビジネスチャンスや経営援助につなげられる可能性があります。
また、お客様に出資してもらって自分の店をもつことができた、と聞くことさえあります。
このようにビジネスチャンスは常にありますので、接客時に名刺をとっておき、メールやLINEで接点を持ち続けましょう。
その日だけのお客様としてだけでなく、相手に信頼やビジネスのメリットを感じさせることができれば、強い人脈がつくれ将来の夢や目標に一歩近づくキッカケになるでしょう。
コミュニケーション力
夜職は幅広い年齢層のお客様を接客することから、夜職経験者はコミュニケーション力が高い傾向にあります。
コミュニケーション力はさまざまな人間関係の中でうまい立ち回り方や、相手に合わせた気づかいや喜ばせ方など、社会に必要なスキルです。
さまざまなお客様を接客するのなら、コミュニケーションがうまい人の言動を参考にして、自分の接客で試してしてみましょう。
自分のコミュニケーション力がめきめき上がりますよ。
夜職に寿命はない
夜職自体に明確な寿命はありません。
しかし、若さや見た目が直接人気に影響するため、年齢を重ねれば指名などが減少し売上の低下を招きます。
業績が落ちれば収入が下がる恐れがあるため、一生続けられるかは難しい問題と言えるでしょう。
また、年齢を重ねた際にジョブチェンジとまでいかないものの、キャストからホールスタッフやサポートなどの管理に回る道はあります。
ですが、瞬間的な収入においては指名客をもって前線で接客するほうが収入は大きいため、将来の自分設計をしておかなければいけません。
無理に続けるのではなく、経験と知識からサポート方面で夜職を続けるのも1つの選択肢になるかもしれません。
さまざまな人と接する夜職ならではの視野の広さで、自分の人生の選択肢を見つけましょう。
このように生涯現役で続けられる業種ではないため、夜職の平均引退時期は体力の低下がみられる30〜40代あたりだと言えます。
もし夢や目標があったり、転職のつなぎで夜職につく場合は、必要な金額を稼いで次に行くなど早めの行動が大事です。
夜職経験者の筆者が体験した夜職で失ったこと
筆者は大阪で夜職の接客業をしていました。
そのときに失った大きなものは、ここまでに解説してきたとおりの「金銭感覚」に「家族」と「知人」です。
当時は現代よりも夜職に対する偏見が大きく、夜職をしていると家族に話したら理解を得られず疎遠となりました。
家族への仕送りすら断られる始末です。
さらに、それまで交友をしていた知人とは金銭の価値感が変わったことから遊び方が変わってしまい、付き合いも徐々に減っていきました。
生活するうえで、お金は大切です。
ですが、交友関係は一度離れると戻るまでに相当な年月を必要とします。
筆者はその後に昼職の営業販売職へ転職したのですが、家族との関係性は転職してからようやく戻ったほどです。
夜職はお金以外にも得られるものは多々あります。
自分自身にとって大切なものは何なのか、何のために夜職で働いているのかを明確にすることが将来において大切なことだと言えますね。
夜職でも自分次第で失わずにすむもの
夜職でも自分の努力次第で失わずにすむものもあります。
たとえば以下の2つです。
- 社会的信用
- 将来の目標
他にも生活レベルをあげなければ金銭感覚も失いませんし、交友関係を広く維持していれば友人や知人を失うこともありません。
ですが、これらは本人の努力あってはじめて失わずにすむものなので、ここでは万人が失わずにすむものとして解説していきます。
社会的信用
夜職といえど、会社勤めであれば社会的信用は問題ありません。
ですが、会社雇用ではなく個人事業主の場合は確定申告などをきっちりとおこない、自分の信用レベルを下げない努力は必須です。
地方によっては世間体に対する認識もあまり変わらないでしょう。
ただし、住宅ローンなどの分割が組みにくいことに変わりありません。
自分の職業にプライドがあったとしても、夜職に対する社会的な認識は常に念頭においておきましょう。
将来の目標
将来の目標を明確にしていれば、夜職であろうと目的を見失うことはありません。
ただ、お金など目先の小さな目的ばかりを追っていると、本来目指すはずの大きな目標を見失うことにつながります。
お金がない、得られるはずのスキルや経験もない、では前に進めません。
もし夜職を辞めるつもりならば、自分の目標を明確にして、いつそのタイミングがきてもいいように備えましょう。
目標や目的がなければ、なんとなく続けてしまいなかなか仕事を辞められない状態に発展してしまいます。
夜職で得たスキルは昼職への転職で活かせる
夜職で得たスキルや経験は、昼職への転職で活かせます。
昼職への転職時にアピールできるポイントを以下3つにまとめました。
- ビジネスマナー
- 営業力・販売力
- ヒアリング力
接客で得た多くの経験、ヒアリングで得た知識は次のステップに挑戦するための確実な武器になります。
多彩な相手へのコミュニケーション力で、接客業や営業にもプラスに働きます。
具体的な業務は職業や会社によって異なるので、ビジネスマナーや素直なヒアリングの姿勢が重要です。
ビジネスマナー
転職でアピールできるのは、夜職の接客で自然と身についているビジネスマナーです。
夜職のお客様は社長など経営者も多々いるため、礼儀・礼節に厳しい人が多々います。指名客が多く人気のある人ほど接客マナーは丁寧できっちりしています。
このビジネスマナーは昼職でも夜職でも関係なく重要です。
社会人としての一般常識がないと判断されないよう、今の環境で得られる接客術やビジネスマナーを体得しておき、昼職で活かしましょう。
営業力・販売力
夜職で培った営業力と販売力は転職に活かせるスキルの1つです。
夜職で指名を得るには自分を売り込む営業力や軽快なトークスキルが重要ですが、昼職においても同様です。
たとえば営業職や販売職において電話や営業メールなどといった自分を売り込む業種では、高い成果をだしやすく、活躍が期待できます。
相手先の特徴や好みに合わせて営業トークを変更するなど、夜職で培った営業力やトークスキルは、昼職においても高い成果に繋げやすいため、活かすことができます。
ヒアリング力
「聞く力」であるヒアリング力は昼職への転職において強い武器となります。
夜職は相手の話を聞くことが接客のメインなので、普段の接客で身につけた「聞く力」や
「聞き上手」なスキルは昼職でアピールできるスキルです。
主にヒアリング力は、職場内でのコミュニケーションや上司との会話で力を発揮しますし、取引先の意思や希望を聞き出す際にも大きな成果を出しやすいので、営業職でも活躍します。
さまざまな相手との接客で磨かれた豊富な知識と経験は、「話の引き出しが多く」「思考の材料が多い」ため、スムーズなコミュニケーションをおこなうことができます。
傾聴の姿勢と不明点への質問力、話題選びの判断力などの努力は必要ですが、それらができていれば、昼職でも問題ないレベルの仕事ができるでしょう。
まとめ
夜職で失ったものとは以下です。
- 健全な金銭感覚
- 健康的な生活とメンタル
- 疎遠になった友人・知人
- 異性の見方
目まぐるしい日々に感覚が麻痺していくうちに少しずつ失い、気づいた時にはいずれかを失くしているかもしれません。
対して夜職で得たものは以下です。
- お金
- 人脈
- コミュニケーション力
夜職は失うものと得られるものが大きく、自分を見失いやすい職業です。
ですが、しっかりと自分自身を律することで昼職でも十分通用する特別なスキルを磨ける職業とも言えます。
今の環境を活用しつつ、今後の自分のキャリアを見つめなおすためにも昼職への転職を検討しましょう!