正社員面接を予定しているフリーターの皆さん、今、内定をもらえるか不安な気持ちでいっぱいなのではないでしょうか?
特に、正社員面接が初めての人は、アルバイト面接と比較してどんな質問をされるか、どんな点を重視してチェックされるのかなど、分からないことだらけですよね。
そこで今回は、フリーターの人に向けて正社員面接の注意点や面接でよくある質問と回答例を解説します。
企業が求める人材の特徴がよく分かり、面接合格に向けて自信を持って臨めますよ。
アルバイト面接と正社員面接の違いは?
アルバイト面接と比較すると、正社員面接は評価基準が厳しくなります。具体的にどんな点に注意すべきかについて、以下で説明します。
質問の内容や難易度が異なる
アルバイト面接と正社員面接では、質問の内容や難易度が大きく異なります。
主な理由は、アルバイト面接が非正規採用で有期雇用、正社員は正規採用で無期雇用となるからです。正社員面接は、長期のキャリア形成が前提になるため、入社後のキャリアプランなども聞かれることがあります。
たとえば、志望理由を聞かれた時に、アルバイトであれば「生活費のため」「自宅から通いやすい場所にある」といった理由でも採用されることがあります。
しかし、正社員採用を前提とした面接の場合、「なぜその企業に応募したのか」「入社後はどんな仕事をしたいのか」といったように質問が深く掘り下げられるので注意しましょう。
面接の回数や面接官の立場が異なる
アルバイト面接は、基本的に1回だけで合否が決まり、事務所や休憩室などのカジュアルな場所で行われることが多くなります。直属の上司や店長などが面接官になることが多いでしょう。
一方、正社員面接では、一次面接・二次面接・最終面接など、複数回にわたって行われることがほとんどです。
正社員面接の一次面接は、直属の上司や人事部スタッフ、二次面接は直属の上司や事業部長など、最終面接は役員や社長が行うといった具合です。また、面接場所も、本社の会議室など、改まった場所で行われます。
チェックの厳しさが異なる
アルバイト面接と正社員面接では、服装や態度、質問の受け答えなどのチェックの厳しさが異なります。
正社員面接では、自社の正社員としてふさわしい人物か、入社後に問題を起こさないかなどを吟味する必要があるからです。
正社員はアルバイトよりも仕事に関する責任が重くなることから、アルバイト面接では合格ラインであっても、正社員面接では不合格になることがあります。
正社員面接で注意すべきことは?
正社員面接で特に注意すべきことを、詳しくご紹介します。
質問の意味を冷静に考えてから答える
面接官から質問されたら、まずは、質問の意味を冷静に考えてから答えるようにしましょう。このとき、よく考えずに答えると、質問の意味を取り違えてしまい、面接官が知りたい内容と異なる回答になりがちです。
また、質問の意味が分からないときは、「~~という意味でしょうか?」や「何についてお答えしたらよいでしょうか?」と聞いても構いません。
分からないまま進めてしまうより、確認してから進めるほうが、丁寧で好印象につながります。
聞き取りやすい声量でハッキリ話す
面接では、聞き取りやすい声量でいつもよりゆっくり話すように心がけましょう。緊張すると、早口になりがちで、何を言っているのか面接官に伝わりにくくなることがあります。
また、面接官の顔を見ながら、落ち着いて話すようにしてください。下を向いたまま話すと、内向的で暗く見えるため、面接官への印象がよくありません。
結論から簡潔に話すようにする
面接では、結論から簡潔に話すようにしましょう。何が言いたいか分かりやすく、知的で仕事ができる印象になります。結論から簡潔に話すと、限られた時間内に自分を最大限にアピールできるのもメリットです。
【具体例】
面接官:「〇〇さんがアルバイト時代に一番頑張ったことを教えてください。」
回答例:「私は、販売職でのアルバイト時代に、よりスムーズに会計できるように頑張りました。具体的には、商品の受け取りからお渡しまでの一連の作業を3分以内で終えられるよう、無駄な動きを徹底的に省いてスピードアップしたのです。お客様を長くお待たせせずに済み、繁忙期にも効率よく会計を行うことができて、店長からもお褒めの言葉をいただきました。」
反対に、前置きが長過ぎると、質問に的確に回答できないと評価され、大きなマイナスになることがあるので注意してください。
正しい日本語や敬語を使うようを意識する
面接では、正しい日本語や敬語を使うように意識しましょう。面接で間違いがちな一例については、以下を参考にしてください。
誤 | 正 |
僕、自分 | 私 |
「了解しました。」 | 「かしこまりました。」
「承知いたしました。」 |
「~してくださいますか?」 | 「~していただけますか?」 |
「ごめんなさい。」
「すいません。」 |
「申し訳ございません。」 |
「よろしかったでしょうか?」 | 「よろしいでしょうか?」 |
また、略語の中には、「バイト(正:アルバイト)」「就活(正:就職活動)」など、そのままではビジネスシーンにふさわしくないケースもあるので注意してください。
正社員面接で採用したいと思わせる身だしなみは?
正社員面接では、ビジネスの場であるということを意識した上で、清潔感のある身だしなみが必須です。だらしない服装をしていると、それだけで面接不合格となることもあります。
ここでは、面接官に好印象を与えるポイントを詳しくご紹介します。
面接官は応募者の身だしなみで何を見ている?
正社員面接では、アルバイト面接よりも、身だしなみのチェックが厳しくなります。面接官は、身だしなみをチェックすることで、自社の社員としてふさわしいか判断しているのです。具体的には、男女共に以下のようなポイントに注意してください。
- 清潔感があるか
- サイズ感が合っているか
- 仕事をするのにふさわしい服装か
男女共にスーツの着用が基本
正社員面接では、「私服可」「平服で」といった指定がない限り、男女共にスーツの着用が基本になります。黒・紺・グレーなどの落ち着いた色で、シンプルなデザインのものが無難です。
また、サイズ感も大切なので、最近体形が変わったなどがあれば、この機会に買い直すことがおすすめです。スーツにシワやテカリがあると印象がよくないため、きちんとクリーニングに出しましょう。
「私服可」「平服で」との指定がある場合は、ビジネスカジュアルが基本です。具体的には、ジャケットとシャツを組み合わせるとよいでしょう。女性は、ジャケットの替わりにオーソドックスなカーディガンを羽織っても構いません。ボトムスはシンプルなパンツやスカート、靴はよく手入れされた革靴が適しています。
男性が身だしなみで気を付けるポイント
男性は、以下のようなポイントを参考にして面接時の身だしなみを整えましょう。
- シングルボタンのテーラードスーツにワイシャツが基本。
- スーツの色に合わせた色柄のネクタイ、手入れされた革靴など、小物類にも気を配る。
- リュックはスーツにしわが入る、着崩れするなどでマイナスイメージになることがあるため、手持ちのビジネスバッグがベスト。
女性が身だしなみで気を付けるポイント
女性は、面接時の身だしなみで以下のようなポイントに気を付けましょう。
- スーツのスカートは膝丈程度の物を選び、座ったときに脚が見え過ぎないようにする
- メイクはシンプルかつナチュラルにとどめ、明るく優しい雰囲気に仕上げる
- 髪が長い場合は、顔にかからないようにまとめ髪にする
女性は、服装・髪型・メイクを応募企業や職種の雰囲気に寄せるようにしましょう。たとえば、金融業界や老舗企業、事務職などは、清楚で柔らかな雰囲気が好まれます。IT企業や企画職などのクリエイティブな職種は、ある程度活発な雰囲気になるように整えてもよいでしょう。ただし、派手な印象になるとマイナス評価につながるので注意してください。
採用担当者・面接官からのよくある質問と回答例
ここでは、採用担当者・面接官からのよくある質問と回答例をご紹介するので、参考にしてください。
「ご自分の長所と短所を簡単に教えていただけますか?」
【質問の目的】応募者の人となりやコミュニケーション能力を知り、自社にマッチした人材か見極めたい。
【回答例】「長所は好奇心が旺盛で新しいことに何でもチャレンジするところで、短所はやや心配性で準備を丁寧にするあまり、時間をかけてしまいがちなところです。アルバイト時代に、自分のやる気を評価されて店舗の販促ディスプレイを任された際、最終案に行きつくまで少し時間がかかりましたが、おかげさまで好評を得ることができました。 」
「新卒で正社員にならなかったのはどうしてですか?」
【質問の目的】フリーターを選んだ理由を自分の言葉で正直に伝えられるか、ネガティブな質問にも的確に答えられるか見極めたい。
【回答例】「新卒時には、まだいろいろな企業で働きながら、自分の能力を活かせる職場を期間限定で探したいと考えていたからです。ありがたいことに、両親も自分の考えを後押ししてくれたため、自分のやりたいことを優先して働くことができました。 」
「正社員で働きたいと思った理由は何ですか?」
【質問の目的】正社員として働く意味を理解しているか、採用してもすぐに辞めてしまわないか見極めたい。
【回答例】「アルバイト先では正社員と同様に仕事を任されていたものの、待遇に大きな差がありました。しかし、アルバイトから正社員登用された前例がなかったため、転職して自分の能力に見合った待遇で、長く働き続けたいと考えました。しかし、フリーターとして経験を重ね、自分の能力が把握できた今、腰を据えて長く働きたくなったのです。 」
「当社で正社員になりたいのはなぜですか?」
【質問の目的】自社への評価を知り、正社員採用後にすぐ他社へ転職する可能性はあるか見極めたい。
【回答例】「御社では実力主義の社風があり、中途入社であっても頑張り次第で評価してもらえるところに強く惹かれたからです。ぜひ、御社に正社員として入社し、自分の能力を活かして働きたいと考えています。」
「あなたが入社すると当社にどんなメリットがありますか?」
【質問の目的】自分の能力をきちんと把握しているか、採用後に意欲を持って働いてもらえるかを見極めたい。
【回答例】「私は、販売のアルバイトでセールストークやクレーム対応を学びました。そのため、御社の営業職として顧客に寄り添った対応ができ、売上につなげることが可能です。実際に、個人の売上が前年比で2倍になったと店長から褒めていただきました。また、クレーム対応に当たったお客様が、自分のお得意様になっていただいたこともあります。」
正社員面接で応募者からよくある質問に回答
正社員面接に向けて、応募者からよくある質問と回答例をご紹介します。それぞれよく読んで、実践に備えましょう。
「面接ではドアのノック回数や座り方などもチェックされる?」
厳密には問われませんが、常識の範囲内であるかどうかはチェックされます。
落ち着いて面接に臨むためにも、以下の流れとポイントを頭に入れておくとよいでしょう。
- 面接室のドアをノックする(日本ではノックは3回が一般的)。
- 面接官の許可が出てから「失礼します」と言って入室し、音を立てないようにドアを閉める。
- 再度面接官に「失礼します」と言って一礼し、イスの横まで進む。
- 名前と「本日はよろしくお願いいたします」と簡単な挨拶をする
- 面接官から許可が出たら、「失礼します」と言って静かに座る。
「リクルートスーツはNGと聞いたのですが本当?」
20代前半であれば、フレッシュな印象があるため、リクルートスーツで正社員面接を受けても特に問題ありません。
ただし、新卒時のリクルートスーツを着回す場合は、面接当日に慌てることがないよう、傷みやサイズアウトがないか早めにチェックしておきましょう。
なお、20代後半以降では、一般的なビジネススーツのほうが好印象になります。この機会に、自分に合ったビジネススーツを新調するとよいでしょう。
「面接中によい印象を与えるためのコツは?」
まずは、面接官の顔を見てしっかり答えるようにしましょう。
ただし、面接官の目を凝視すると、にらんでいる印象になってしまうため、鼻から口のあたりを見て話すと、柔らかくよい印象になります。
また、姿勢を正し、男性は足を軽く開く程度、女性は脚を閉じて両手を膝の上に置くようにしましょう。面接官が話しているときは、軽くうなずきながら耳を傾けてください。
「入社後の待遇について面接で確認してもよい?」
入社後の待遇について面接で確認しても、何も問題ありません。
むしろ、募集要項で「詳細はお問い合わせを」「要相談」などとなっていた場合は、面接時に確認しておくことが大切です。
きちんと確認しないと、採用されても入社後のミスマッチや不満につながり、応募者・企業共にマイナスになります。ただし、しつこい印象にならないよう、あくまでもさらっと質問するようにしましょう。
「女性は結婚や出産の予定を聞かれる?」
面接で女性に結婚や出産の予定を聞くのは、現在ではタブーとなっているためほとんどありません。
また、もしも、結婚や出産の予定を聞かれても、合否に直接影響することはないため、素直に答えて大丈夫です。
なお、女性のキャリア支援に手厚い企業では、面接時に支援制度について説明してもらえることもあるでしょう。
就職・転職エージェントでの模擬面接を活用する方法も
就職・転職エージェントに登録し、正社員面接の模擬面接を活用する方法もおすすめです。就職・転職エージェントでは、マンツーマンでフォローしてもらえるので、メンタル面でもとても頼りになります。
さらに、豊富な求人から自分の希望条件に合った就職先を探せるのも、大きなメリットです。基本的には無料で登録できるので、上手に活用するとよいでしょう。
まとめ
フリーターから正社員採用を目指すには、正社員面接ならではの対策が必要です。
「なぜ正社員で働きたいのか」など、よく聞かれる質問に対して、どんなふうに回答するかシミュレーションしておきましょう。また、面接官に好印象を与えるには、身だしなみに注意することも大切です。
就職・転職エージェントに登録すると、模擬面接を受けられるほか、多くの求人から希望条件に合った職場を探せるのでおすすめです。面接当日に自信を持って臨むことができ、採用に向けて大きな後押しになります。