【初めての就活・転職】サンプルあり!職務経歴書の書き方ガイド
職務経歴書とは? 職務経歴書とは、これまでの仕事の経験・実績・スキルを記載した書類のことです。 そのため、新卒採用ではなく転職活動時に必要となり、履歴書だけでは伝えきれない魅力をアピールをすることで、企業と応募者のマッチングに役立ちます。 職務経歴書では、応募する職種の経験者は「即戦力である」とアピールでき、未経験者は「自分の職歴がどのように仕事に活かせるか」というアピールが可能です。 応募先企業の指定がない限り、書く際の形式は自由ですが、目安としてA4用紙1~2枚にまとめるのが一般的です。 手書きとパソコンのどちらで作成しても構いませんが、パソコンで作成したほうが、見やすく見映えする仕上がりになり、また、後から訂正・流用できるなどの点でおすすめです。 履歴書と職務経歴書の違いは? 履歴書は「氏名・住所・学歴などの個人情報」や「志望動機」を書き、職務経歴書は「職務における経験や実績」「具体的なスキル」を書くという違いがあります。 つまり、履歴書が応募者個人に関するプロフィールで、職務経歴書は仕事の内容に絞ったアピールの書類であり、役割が違うのです。 履歴書と職務経歴書では、採用担当者からチェックされる内容が以下のように異なります。 【履歴書】 採用に必要な個人情報(氏名、住所、連絡先等) 応募条件を満たしているか(学歴、資格や免許の有無) 志望動機 希望勤務地や希望職種 【職務経歴書】 実務経験 仕事における実績 自己分析力 退職理由や転職理由の正当性 これまでに就職・転職した内容や回数 仕事へのやる気や意欲 転職活動の場では、応募者の業務経験やスキルを重視して採用が行われます。 そのため、応募条件を満たし完璧と言える履歴書を提出したとしても、職務経歴書の書き方が不十分だと不採用になることがあるので注意しましょう。 初めての就職や未経験の職種でも職務経歴書は必要? 初めての就職や未経験の職種への応募であっても、基本的には職務経歴書を提出します。 アルバイトしか経験したことがない方も、これまでに経験したことや身に着けたスキルを職務経歴書に書くことで、「自己分析ができる」「前向きで意欲的」という好印象を採用担当者に与えられます。 職務経歴書に書く内容は、応募する職種と紐づけるようにしましょう。 たとえば、「接客業のバイトで顧客対応のノウハウを身に着けたので、御社の営業職でも自信を持って顧客とコミュニケーションでき、実績につなげられる」といった具合です。 異業種・異職種への転職であっても同様で、職務経歴書は自己PRのチャンスです。就職活動における面接の突破率を上げるためにも、必ず提出します。 職務経歴書を書く前の準備 職務経歴書を書き始める前に、必要な準備を整えておくことで、スムーズに書き進められます。 自分の職務経歴を整理する まずは、自分のこれまでの職歴をすべて書き出し、時系列に並べてみましょう。 また、それぞれの仕事でどんな点に力を入れ、評価されたか、実績を上げたか、具体的に書き出してみてください。すると、自分でも気が付かなかったアピールポイントが見つかることがあります。 ※記入例1 【アルバイトの職務経歴】 2019年7月~2022年5月:大学入学後、飲食店のアルバイトを始める 2022年5月~2024年現在:就職活動のため、よりシフトの調整がしやすいカラオケ店に転職 【アルバイトで特に力を入れたこと】 あがり症を克服するために飲食店のアルバイトを始めた。他人と話すことがあまり得意ではなかったが、接客対応や日々の業務を通じてコミュニケーション能力を身に着けた。 老若男女さまざまな人が来店する中で、マニュアルだけに頼らず、ひとりひとりのお客様が何を求めているのか考えながら仕事をし、時には先輩スタッフからアドバイスをもらうこともあった。 そうした積み重ねもあって、常連のお客様との会話から新メニューの考案に至り、店舗の売上増加に貢献した。(具体的な数字があれば記載) ※記入例2 【正社員としての職務経歴】 2022年4月:株式会社〇〇営業部第一営業課に新卒で採用される 2024年3月:キャリアアップのために退職 【前職で特に力を入れたこと】 新卒で入社した会社では、社会人・営業マンとして必要な知識や基本的なスキルを習得した。先輩社員にならって新規顧客獲得のためのセールスを行い、新人の中で営業成績1位となり、社内平均が〇〇であるところ△△という結果を出した。(具体的な数字を記載) 個人的にSNSでの販促やWEB広告の分野に興味があり、今後はインターネットを通じてより多くの企業や顧客に対するアプローチを行っていきたいと考えている。 職務経歴に空白期間がある場合は、資格取得に向けて勉強していたなど、前向きな理由を記載しておくとよいでしょう。 なお、「自分がやりたいことは何かじっくりと考える時間にしていた」という理由も問題ありません。 応募企業と自分との接点を考える 次に、応募企業と自分との接点を考えてみましょう。この企業・職種に応募したのはなぜか、改めて考えてみると、志望動機に説得力を持たせることができます。 たとえば、「自分は明るい性格で人と話すことが好きだから、応募企業の営業職に向いているはずだ」、などです。 「アルバイトや前職ではできなかったことが応募先ではできる」といったような、「採用されたらやりたいこと」をメモしていくのも良いでしょう。 応募企業と自分との接点を見つけることで、志望動機が明確化される・面接でのアピールになる・入社後に働くモチベーションにつながるというメリットもあります。 自分のキャリアを応募企業で活かせることを見つける 自分のキャリアを応募企業で活かせることを見つけると、強力なアピールポイントになります。 たとえば、アルバイトであっても、クレーム対応で顧客から最終的に感謝されたエピソードがあれば、「臨機応変に対応できる」「きめ細やかな対応ができる」といった点をアピールできます。 すると、営業職や接客業をはじめ、受付やコールセンターなどでも、即戦力として欲しい人材であると納得させられます。 採用担当者からも、ぜひ「面接で実際に話を聞いてみたい」「積極的に採用を検討したい」と感じてもらえることでしょう。 さらに、面接で応募企業に即戦力であると認識させることができ、採用への後押しとなります。 職務経歴書には何を書く? それでは実際に職務経歴書の書き方を説明します。 以下のように、A4サイズの書類1~2枚にまとめるのが基本です。2枚になる場合はクリップで左上をはさむとよいでしょう。 提出日・氏名 職務経歴書には、書類を提出する日(応募日または面接日)と氏名を必ず記載します。「職務経歴書」という書類のタイトルを書いた後、右上に記載しましょう。 職務要約 職務要約とは、職務経歴の要点を簡単にまとめたものです。職務要約を記載することで、採用担当者に自分の職務経歴を分かりやすく伝えられます。 具体的には、どんな仕事をどれぐらいの期間行い、どんな実績を上げたかについて記載します。 なお、職務要約のボリュームは、3~4行程度で構いません。ボリュームが多過ぎるとかえって分かりづらくなるので、注意しましょう。 業務内容 まず、在籍していた会社名と事業内容を記載します。在籍期間は、西暦で「20〇〇年4月~20〇〇年3月」で記載しましょう。 所属していた事業部・事業課の後、担当業務・主な取り組み・実績をそれぞれ項目ごとに分けて書きます。 職務経歴書を書く内容は、具体的な内容で、数字を使いながら説明するようにしてください。 たとえば、接客業のバイトをしていた人なら、売りたい商品が目立つようにレイアウトやPOPを工夫し、セールストークでもさりげなくおすすめし、売上が2倍(前月比+〇〇万円)になったといった感じです。 また、社内で表彰されたことがある場合も、忘れずに記載しておきましょう。 正社員の場合、基本的に在職していた会社すべて記載しますが、転職回数が多い場合は直近2~3社のみ、または応募先の職種に関するものだけ記載しても構いません。 ただし、面接で質問されたときに回答できるように、関係ない職種でもある程度の業務内容をまとめておくのがベストです。 資格・免許、スキル・知識 この欄では、職務を通じて取得した資格やスキルを具体的に記載して、即戦力になれることをアピールしましょう。 たとえば、事務系職種なら、簿記やファイナンシャルプランナーなど、実務に直結する資格などが挙げられます。そのほかにも、技術系であれば電気主任技術者など、受験に実務経験が必要な資格や実際に働きながら身に着けたスキルがあれば、大きな武器になります。 なお、未取得の資格やスキルであっても、現在勉強中もしくは取得を目指しているのであれば、詳しく記載しておくと好印象です。 自己PR 自己PR欄では、自分の能力や適性を企業にアピールしましょう。 たとえば、「普段からトレーニングをしていて体力があるので、営業の仕事に向いている」など、応募企業が自分を採用するメリットにつなげることが望ましいといえます。 また、「協調性があり誰とでも仲よくやれる」「新しいことを学ぶことが好きで、積極的に勉強している」など、前向きな印象になる点をアピールするのもよいでしょう。 職務経歴書の主な形式3つを解説 職務経歴書には、主に「編年体式」「逆編年体式」「キャリア式」の3つの形式があります。それぞれ簡単に解説します。 編年体式 編年体式は、時系列に沿って古い順に職歴を記入する方式です。 履歴書との整合性が取りやすく、最も一般的な形式といえます。職歴が少ない場合は、編年体式がシンプルで最も見やすい点でもおすすめです。 また、初期の職歴をアピールしやすいため、初めて就職した企業で大きな成果を上げた、長期間まじめに勤務していた、といったことを強調したい場合にも向いています。 逆編年体式 逆編年体式は、直近の職歴からさかのぼって順次記入する方式です。 逆編年体式では、直近の職歴が一番最初に来ることから、直近で勤務した企業で成果を上げたり転職のきっかけとなった出来事があった場合などにアピールしやすくなります。 逆編年体式は、外資系企業など、直近の成果を即戦力として高く評価する企業への応募時などにおすすめです。 キャリア式 キャリア式は、特定の職務やプロジェクトなどの切り口に沿ってまとめて記載する方式です。キャリア式のメリットに、転職回数が多くても目立ちにくいことなどが挙げられます。 たとえば、専門性を高めるために多くの企業を渡り歩いた人にとっては、自分の強みをアピールしやすいといえるでしょう。実際に、専門性や即戦力を求める企業に自分を売り込みたい場合などに向いています。 職務経歴書を書くときの注意点 職務経歴書は履歴書のように決まったテンプレートはありません。そのため、自分の職歴に応じて項目を追加するといったことも自由です。 しかし、一般常識として以下の注意点は必ず守りましょう。 誤字や脱字に注意する 職務経歴書を書くときは、誤字や脱字に十分に注意して下さい。履歴書と同様に、誤字や脱字があると、大きなマイナスポイントになるからです。たとえ内容が立派に仕上がっていても、誤字や脱字があるだけで、「提出前に見直しができない」「誤字や脱字があるまま提出しても平気な人」などと、評価されることがあります。 特に、パソコンで作成すると、誤字や脱字があっても一見してキレイに仕上がって見逃してしまいがちなので、注意してください。 ウソの記載をしない 職務経歴書には、ウソの記載をしないように徹底してください。たとえば、見栄を張って有名企業に在職していたことにする、実際には担当していない職務を行っていたことにする、人の成果を自分の成果と偽るなどです。 また、実際には派遣社員として勤務していたのに、正社員で勤務していたと記載するパターンもよく見られます。 ウソの記載をしても、応募企業が調べればすぐに分かるものです。たとえうまく入社できても、後日、経歴詐称により解雇になったり訴えられたりすることがあるので気を付けましょう。 仕事と関係のないことを記載しない 職務経歴書は、あくまでも仕事と関係する内容だけを記載するのがルールです。したがって、個人的な趣味や活動についてなど、仕事と関係のないことを記載するのはやめましょう。仕事とプライベートの区別ができない、常識がない人物と評価されてしまう可能性があります。 仕事と関係のないことは、面接での雑談など、機会があったら話す程度にしておきましょう。 過去の職務や勤務先企業への不満を記載しない もしも、過去の職務や勤務先企業へ不満があっても、職務経歴書に記載するのは絶対にやめましょう。たとえ事実であっても、採用担当者にマイナスイメージを与えてしまいます。 また、「この人は入社してもいろいろと不満を言いそうだ」「すぐに転職して他社に自社の悪口を言うかもしれない」と判断され、採用されにくくなります。 就職・転職エージェントにアドバイスを受ける方法もある 職務経歴書の書き方がよく分からない、自信がないといった場合は、評判のよい就職・転職エージェントに登録して、アドバイスを受ける方法もあります。就職・転職エージェントでは、応募企業が好ましいと感じる人材を把握しており、合格するために必要な職務経歴書の書き方を具体的に教えてもらえます。 そのほか、面接での自己アピールの仕方を教えてもらえる、メンタル的なサポートを受けられるなど、多くのメリットがあるので、活用しない手はないでしょう。 まとめ 読みやすくて説得力のある職務経歴書を作成できれば、応募企業に採用される可能性がグンと高まります。まずは、自分が応募企業の採用担当者だったらどんなポイントに注目し、どんな人材を採用したいと考えるかを頭に入れながら、丁寧に作成してみてください。 また、評判のよい就職・転職エージェントに登録して、自分の希望にマッチした求人を探しつつ、職務経歴書の書き方をアドバイスしてもらうのもよいでしょう。自分だけではなかなか気づけない改善ポイントなども分かり、メンタル的なサポートなども期待できるなど、とても有益です。