「お客様から暴言を吐かれてストレスが溜まる」
「接客業でメンタルをやられてしまい、毎日仕事がつらい」
お客様と直接やりとりをする仕事の接客業は、何かと気苦労が多く大変ですよね。
中には「お客様は神様だ」と言わんばかりに、理不尽な要求やクレームを入れるお客様もいるでしょう。
いくら仕事とはいえ、どんなときも笑顔でいなくてはならないのは、とてもつらいことです。
もしも今メンタルをやられている自覚があるのなら、まずは、自分の心を回復することが何よりも優先です。
そこで今回は、接客業でメンタルをやられた時の対処法、また、思い切って接客業から転職する際の仕事の探し方について解説します。
接客業でメンタルがやられる理由は?
仕事のストレスでメンタルをやられるのは、誰にでもありうることです。
ここでは、接客業にありがちなストレスの原因を記載するので、自分がどれくらい当てはまっているか確認していきましょう。
当てはまる項目が多いほどストレスも溜め込みがちな状態にあるので、休養が必要です。
顧客とのトラブル
接客業は、人と接する仕事であることから、顧客とのトラブルが絶えません。マニュアルがあってもその通りにすればよいわけではなく、臨機応変な対応が求められます。
特に、経験が浅いうちは、トラブルが発生した際、どう対応すればよいか分からずにおろおろしてしまい、さらに顧客が激昂してしまうことがあるなど、気苦労が絶えません。
また、最近では「モンスター・クレーマー」と呼ばれる悪質な顧客も問題になっており、しつこいクレームでメンタルがやられるケースもあります。接客業で人間嫌いになる人が多いのも、納得です。
職場の人間関係がうまくいかない
接客業では、職場の人間関係がうまくいかなくてメンタルをやられることもあります。
たとえば、飲食店やスーパー・コンビニなどの小売店では、人手不足のために精神的な余裕がなくなり、職場の雰囲気が悪くなって従業員同士がギクシャクしがちです。殺伐とした職場では、出社するだけでもストレスに感じて、メンタルをやられてしまうのです。
休日が少ない・不定期
休日が少ない・不定期なことも、接客業でメンタルをやられる理由です。接客業は、一般的なオフィスワークと比較すると、休日数が少ない傾向があります。
すると、生活リズムが乱れてしまい、心身の不調につながることがあります。
また、土日祝日に休めない、大型連休も出勤になるなどで、家族や友人と休みを合わせづらく、ストレスをうまく解消できなくてつらいと感じる人も多くいます。
人手不足で残業が当たり前
職場の人手不足が慢性化しており、残業が当たり前になっているのも、接客業でメンタルをやられる理由の一つです。顧客へのセールストークだけでなく、レジ打ちや片付け、商品管理・発注に加え、売上管理なども加わり多忙を極めます。ときには、顧客からの理不尽なクレーム対応にも追われ、やりきれないこともあるでしょう。
加えて、接客業は来客のタイミングなどで、休憩時間も十分に取れないことがあります。すると、つらい気持ちを抱えたまま、ずっと働き続けている感覚になってメンタルをやられてしまうのです。
ノルマに追われる
販売職などでは、ノルマに追われることもメンタルをやられる理由です。確かに、企業として利益を追求する以上、ある程度の売上目標をノルマとして意識することは必要不可欠ともいえます。
しかし、ノルマを達成するのは、簡単なことではありません。特に、閑散期や悪天候の影響で客足が伸びない日は、売りたくても売ることができないものです。さらに、主任や店長などの立場になると、ノルマが未達成の場合は、本部から厳しく叱責されることもあり、大きなストレスになります。
接客業でメンタルがやられるときの対処方法5つ
接客業でメンタルがやられるときには、ご紹介する5つの方法を試してみてください。
親しい人に愚痴を聞いてもらう
接客業でメンタルをやられるときは、親しい人に愚痴を聞いてもらうことがおすすめです。
仕事である以上、理不尽なことを言われてもお客様に言い返すことはできないですよね。なので、誰かに自分の嫌だったこと、困ったこと、などをただ聞いてもらうだけでも、心がスッキリします。
ただし、愚痴を聞いてもらう人は、マイナスな感情を話してもしっかり受け止めてくれる人を厳選しましょう。人によっては、ほかの人に言いふらしたり、自分の苦労話に話をすり替えてしまうことがあります。
休日にストレスを発散する
休日は、仕事から完全に離れ、趣味や好きなことに没頭してできるだけ自分のためだけに時間を使いましょう。すると、気持ちをリフレッシュでき、ストレスを発散できます。
接客業は普段から多くのお客様と接しているのですから、仕事が休みの日はあえて人と会わず、1人の時間を楽しむのもおすすめです。誰にも気を遣わずに疲れた心身をゆっくりと休ませて、仕事へのエネルギーを補充しましょう。
お金のためと割り切る
接客業がつらいと感じるときは、お金のためと割り切ると、乗り越えられることがあります。接客業でも、成績が給与に反映されるシステムなら、頑張った分だけ高い収入につながります。
休憩中でもよいので、つらいと感じたら、自分が欲しいものを買ったり気になっている場所に出かけたりするなど、自分のためにお金を使うことを考えてみましょう。すると、気持ちをうまく切り替えられて、楽になることがあります。
カウンセリングを受ける
接客業でメンタルをやられたら、カウンセリングを受けてみるのもよいでしょう。
仕事と直接関係のないメンタルヘルスの専門家につらい気持ちを聞いてもらうことで、心が楽になります。
たとえば、「顧客からの理不尽なクレームがつらい」「職場の人間関係が悪くてしんどい」といったことも、第三者に相談しアドバイスを受けることで、前向きな気持ちになれます。職場に専門カウンセラーがいない場合は、評判のよいメンタルクリニックの扉をたたきましょう。
思い切って休職する
仕事がつらくて出社するのも一苦労する場合は、思い切って休職するのも一つの解決方法です。きちんとした企業なら、従業員の休職制度があるので、確認してみるとよいでしょう。
休職すると、家族や友人など、今まで休みが合わなかった人とも一緒に過ごすことができ、よい気分転換になります。また、休職して物理的に体を休ませることで、メンタルの回復が期待できます。復帰後のことは追々考えればよいので、ひとまず検討してみてください。
接客業でメンタルがやられやすい人の特徴は?
接客業でメンタルがやられやすい人にはどんな特徴があるか、具体的に取り上げていきます。
感受性が強い
接客業はお客様を相手にする仕事なので、相手の思いや考えを汲み取って接することが常に求められます。
仕事がそういった環境でもあるため、感受性が強い人は、「ちょっとしたことであってもトラブルがあるとずっと引きずってしまう」、といったマイナスの影響がメンタル面に強く出てしまいます。
たとえば、上司から仕事の間違いを指摘されただけでも、大げさに考えてしまうことがあります。顧客からの小さなクレームにも耐えられず、急に休んでしまうこともあるでしょう。
一人で抱え込んでしまう
接客業において、お客様からの無茶ぶりや理不尽なクレームは避けては通れません。
そのため、「すべて自分が悪い」「自分で何とかしなければ」と問題を一人で抱え込んでしまう人は、接客業でメンタルをやられやすいタイプです。
仕事に対する責任感が強く、誰にも相談せず自分一人で解決しようするタイプは重症化しやすく、気が付いたときには回復不能になることもあるため、注意が必要です。
やさしくてまじめな性格
接客業でメンタルをやられる人は、やさしくてまじめな性格の人が多いともいえます。顧客や同僚からの何気ない言葉をストレートに受け取ってしまい、深刻に悩んでしまうのです。
また、強く言い返さないためにストレスがたまるばかりで、ある日突然爆発してしまうことがあります。
そもそも人と接するのが苦手
消極的な性格などで接客が苦手なのに、就職・転職先に困って接客業で働いている人も、メンタルをやられやすい傾向があります。自分が希望した職種ではないことが頭の隅にずっとあるため、小さなことでも不満を抱きがちです。
こうした人は、就職・転職活動時の自己分析が足りない、自分の可能性を過小評価してチャレンジしないといったことがあるため、転職が一番のおすすめといえます。
接客業でメンタルをやられるとどんな影響がある?
接客業でメンタルをやられると、さまざま悪影響が出ます。具体的にどんな影響があるかご紹介するので、自分に当てはまるか確認してみてください。
仕事でミスが続くようになる
接客業でメンタルをやられると、仕事への集中力や判断力が鈍り、仕事でミスが続くようになります。しかも、仕事のミスが追い打ちになり、メンタルがさらにやられてしまうのです。
周囲に非難されるだけでなく、自分に自信がなくなってしまうのも大きな問題です。
以前と比較して仕事の生産性や効率性が落ちたときは、思い切って仕事を休んでください。
「自分がいないと仕事が回らない」「仕事を休ませてもらえない」と思うかもしれませんが、メンタルがつらい状況で仕事を続けていると、より大きな取り返しのつかないミスを引き起こすおそれもあります。
接客業はただでさえストレスの多い仕事なので、自分の心や体を守るためにも、まずはゆっくりと休養を取りましょう。
眠れなくなるなど生活リズムが狂う
メンタルの不調により、夜眠れなくなるなどで、生活リズムが狂うことがあります。
布団に入っても、ストレスにより神経が高ぶっているため、なかなか寝付けません。ようやく眠れてもすぐに目が覚めてしまい、睡眠の質も低下し、日中にだるさや眠気を感じて仕事に集中できなくなるなど、日常生活に支障をもたらします。
睡眠不足によるケガや事故を引き起こしかねませんし、不眠以外の体調不良も出てくるので、こうした場合は病院への受診が必須です。
何事も楽しいと感じることができない
メンタルがやられると、何事も楽しいと感じることができなくなります。いわゆる、「うつ」の状態です。大好きなことにも没頭できず、毎日過ごすことがただ苦痛に感じてしまいます。
せっかくの休みもぼーっと過ごすだけで、布団からなかなか出られないという人もいます。趣味や好きなことに興味を持てなくなったら、重症です。自ら出している、SOSのサインだと考えましょう。
なお、うつ状態の自覚がある場合は、精神科・心療内科のカウンセリングが有効です。
性格が変わったようになる
メンタルがやられている影響で、以前は優しい性格だったのが、徐々に怒りっぽくなったり嫌味っぽくなったりすることがあります。
また、何もしていないのに突然涙があふれるなど、感情のコントロールができなくなることもあります。すべては過剰なストレスによるものであり、心が壊れている証拠です。
自分一人で解決するのは難しい状態と言えます。家族・友人・恋人など、大切な人間関係を壊してしまう前に、精神科や心療内科へ受診しましょう。
接客業がストレスになるなら転職も検討する
自分の力ではどうにもならず、今のまま接客業を続けていく限りメンタルがやられるのは避けられない、ということもあるでしょう。
その場合、思い切って転職して環境を変えるのをおすすめします。
職場を変えるだけで改善する可能性がある
休日が少ない、人間関係が悪いなど、現在の職場環境が理由でメンタルをやられるのなら、職場を変えると改善する可能性があります。
接客業が好きでやりがいを感じているのなら、同じ接客業での転職を考えてみるとよいでしょう。接客業での経験とスキルを活かして、給与や休日数などの条件がよい職場を狙うことができます。
接客業とは異なる職種を検討してみる
接客業自体がつらい、もうやっていけないと感じたら、事務職や技術職など、接客しなくてもよい職種を検討してみましょう。直接顧客とやり取りしなくてよいので、気持ちが楽になります。
接客業はつらくないけど、職場が自分に合わない、人間関係が悪いといった場合は、接客業の経験やスキルを活かし、営業職などを検討するのもおすすめします。たとえば、受付やコールセンターなどは、接客業のスキルを活かせる代表的な職種です。
接客業の転職に強いエージェントを活用する
接客業の転職に強いエージェントを活用するのも、よい方法です。転職エージェントを活用すると、以下のようなメリットがあります。
- さまざまな求人から理想の条件を満たした職場を探せる
- 待遇などの条件がよい「非公開求人」にも応募できる
- 専門のアドバイザーが転職に関する不安や悩みの相談に乗ってくれる
- 履歴書など応募書類の書き方や面接のコツ・心構えなどを教えてもらえる
複数の転職エージェントに登録すると、理想の職場への転職チャンスがさらに広がります。よい求人を見つけたら、どんどん応募していきましょう。
まとめ
接客業でメンタルをやられると感じたら、自分がつらいと感じるポイントを考え、できる範囲で対処してみましょう。
ただし、いろいろな方法を試してみても無理だと感じたら、転職で職場や職種を変えてみるのもよい方法です。
接客業で身に付いたスキルが役立つ仕事はたくさんあり、経験者を積極的に採用している企業も多いので、どんどんチャレンジしてみるとよいでしょう。接客業を「辞めてよかった」と思えるような、理想の仕事を探してみてください。