「土日や大型連休に休めない」「立ち仕事がつらい」「クレーム対応がストレス」などなど…。
接客業から転職を考えているものの、他にどんな仕事ならできるのかと不安に思っていませんか?
接客業で身に着けたコミュニケーション能力などは、他業種・他職種でも高く評価されるスキルです。実際、多くの接客業経験者が未経験からの転職を成功させているので、安心してくださいね。
とはいえ、理想の職場にめぐり合い、採用されるまで一筋縄ではいかないこともあるのが現実です。
そこで今回は、接客業から転職するのにおすすめの仕事や転職を成功させるコツなどを詳しくご紹介します。
接客業経験者が評価されるスキルや経験は?
はじめに、接客業経験者が企業から評価されるのはどんなスキルや経験か、具体的にご紹介します。
コミュニケーション能力
接客業経験者は、優れたコミュニケーション能力を持っており、企業からも高く評価されます。さまざまなタイプの顧客を経験し、臨機応変に対応できると見なされるからです。
また、どんな人ともスムーズにコミュニケーションを取れる点で、組織の中でうまくやっていける人材と判断され、自社に欲しいと思わせることができます。
ヒアリング能力
接客業経験者は、顧客からの要望を正確に聞き出すヒアリング能力に長けています。この優れたヒアリング能力も、企業が高く評価するポイントです。
顧客の話に耳を傾け、ニーズを正しく読み取れる能力は、どんな仕事にも役に立ちます。特に、営業などの顧客と直接接する職種では企業の利益に直結するため、ヒアリング能力の高い人材は積極的に採用したいものです。
マルチタスク能力
接客業からの転職では、マルチタスク能力も高く評価されます。接客業は、接客だけでなく、事務作業・在庫管理・金銭管理なども同時に行うことから、自然とマルチタスク能力が高まるものです。
限られた時間内で同時に複数の仕事をこなせる人材は、企業に「ぜひ自社で採用したい」と思わせることができます。
接客業からの転職でおすすめの仕事
接客業からの転職では、コミュニケーション能力やヒアリング能力の高さが評価される業界で積極的に採用されます。ここでは、特におすすめの仕事を具体的にご紹介しましょう。
営業
接客業から転職するなら、第一に検討したいのが、営業です。
営業は、接客業で身に着けた能力がそのまま役に立つ職種であり、不動産業界や保険業界など、多くの業界で積極的に採用されていることからもおすすめといえます。
営業は、実力主義で頑張った分だけ給与に反映されるため、大きなやりがいを感じるはずです。今よりもっと稼ぎたい、人と接するのは好きで得意だけど現在の職場の待遇に不満がある、といった人には満足できることでしょう。
受付
受付も、接客業の経験や能力を発揮できる仕事です。接客業経験者は、ほがらかで明るい雰囲気を持ち、臨機応変に対応できる点で高く評価されます。お客様とのコミュニケーションを続けたい人は、積極的に検討してみましょう。
なお、受付は企業の顔となるセクションのため、身だしなみや礼儀正しさも厳しくチェックされます。メーカーや商社などを中心に受付の正社員求人が見られますが、非正規社員・派遣社員としての募集も多くなっています。
秘書
接客業の経験を活かせる仕事として、秘書も挙げられます。秘書は、ほかの人をサポートするのが得意な人におすすめで、接客業で身に着いたコミュニケーション能力のほか、マルチタスク能力が発揮できる仕事です。
仕事内容は、担当上司の細やかなサポートが主な仕事で、各関係部署や取引先などのスケジュール調整、来客応対、書類作成など、業務が多岐にわたります。業界を問わず求人がありますが、事務系職種のため、競争率が高いのも事実です。
コールセンターのオペレーター
接客業から転職をお考えなら、コールセンターのオペレーターも視野に入れてみましょう。コールセンターの仕事は、高いコミュニケーション能力やヒアリングの能力が求められるため、接客業経験者に持ってこいです。
たとえば、保険業界など、契約前・契約後の顧客フォローが必要な業界では、接客業で身に着けたヒアリング能力や問題解決能力なども活かすことができて重宝されます。
座り仕事で勤務時間を調整しやすい点や直接お客様と対面しなくてよい点も、大きなメリットです。
人と関わらなくていい仕事はある?
接客業から転職できて、人と関わらなくていい仕事には以下のようなものがあります。たとえば、接客に疲れた、接客からできるだけ遠ざかりたいといった人にもマッチするでしょう。
- 事務職
- データ入力
- ITエンジニア
上記の仕事は、コツコツとまじめに取り組める、ルールに沿って仕事を完結できるといった人に向いています。
なお、仕事を円滑に進めるためには周囲の人とのコミュニケーションが必須になるため、接客業での経験を活かせます。
接客業から転職する際の志望動機・自己PRのポイント
接客業から異業種・異職種へ転職する際、志望動機や自己PRでどんなポイントを押さえておくべきか、具体的にご紹介します。
接客業から転職する意味を簡潔に伝える
転職活動では、なぜ接客業から転職を決意したのか分かりやすく伝えましょう。企業に好印象を与えるためには、前向きな転職であることをアピールする必要があります。
たとえば、人と接するのは好きで得意だけど、将来性を考えて長く働ける職場を探しているなどです。
また、営業職など実力主義の仕事への転職を希望する場合は、よりスキルアップして高収入を目指したいといったことを伝えるのもよいでしょう。
接客業で身に付けたスキルをアピールする
コニュニケーション能力やトラブル対応能力など、接客業で身に着けた能力を分かりやすくアピールしてください。
転職市場、いわゆる中途採用の面接の場合、企業が見ているのはこれまでの業務の中で応募者が何を身に着けたか、仕事として何をしてきたか、という点です。
接客業であれば、実際のクレーム対応で、問題解決のためにどんなふうに対処し、どんな結果になったかなどを具体的に説明するのもよいでしょう。経験に基づいたアピールとなり、説得力が増します。
採用で企業が得られるメリットをアピールする
自分を採用することで、企業がどんなメリットを得られるか、具体的にアピールしましょう。たとえば、自分自身の資質や接客業で身に着けた能力から、以下のような内容をアピールできるはずです。
- 前向きな性格と目標管理能力の高さから、安定した売上につなげられる
- ヒアリング能力の高さやトラブル対応経験から、的確なクレーム対応ができる
また、主任などの経験があるのなら、スタッフのまとめ役や他部門との調整役などができるとアピールするのもよいでしょう。
接客業から転職したい主な理由
接客業から転職したいと多くの人が考える理由を、4つご紹介します。
給料が低い・休日が少ない
接客業は、他業種・他職種と比較すると給与が2割程度低く、働くモチベーションにつながりにくい事実があります。
【参考:接客業の年収の一例】
- 卸売業・小売業 384万円
- 宿泊業・飲食サービス業268.2万円
また、休日数も少ない傾向があります。さらに、土日祝日・ゴールデンウィーク・お盆・年末年始などが繁忙期に当たり、思うように休みを取りづらい点も、マイナスポイントといえます。
将来性が不安定
将来性が不安定なことも、接客業から転職したい理由に挙げられます。接客業は、景気に大きく左右されやすく、不安定です。業績不振などで店舗の統合・閉鎖による異動や退職を余儀なくされることもあり、常に将来への不安がつきまといます。
また、若い人向けの商品やサービスなどを扱っている場合、年齢を重ねて長く働きづらいことから、キャリアプランが立てにくいのも事実です。
ノルマがきつい
接客業から転職を決意する理由として、ノルマがきついことも挙げられます。
販売職は、個人や店舗ごとに売上のノルマがあり、プレッシャーが大きくのしかかるものです。本部や上司からも、ノルマを必ず達成するよう厳しく言われて、ストレスをためやすいといえます。
また、職場によっては、ノルマ達成のために自社製品を購入する風習があるのも、仕事がつらくなって辞める人が多い理由になっています。
職場の人間関係が悪い
職場の人間関係が悪いことで、接客業から転職したいと考える人が多くいます。販売職では、店舗や売り場で仕事仲間と長時間顔を合わせることになるため、相性が悪い者同士ではどうしても空気が悪くなりがちです。特に、女性が多い職場では、人間関係の悪さが転職希望理由の上位に入ります。
また、従業員同士で成績を比較されて気まずくなり、転職したいと考える人もいます。
接客業から転職して年収をアップする方法
接客業から転職して年収をアップする方法を具体的に3つ紹介しますので、参考にしてください。
成果主義で評価される企業に転職する
販売業の年収に不満があるのなら、営業などの成果主義で評価される職種または企業への転職を考えましょう。がんばって成果を出せば出すほど評価されて、年収がアップします。
ただし、成果主義で評価される企業は基本給が低く設定されているため、成果が上がらないと低い収入になったり職場での立場が弱くなることがあります。
給与水準の高い企業に転職する
元々の給与水準の高い企業に転職すると、自動的に年収がアップします。給与水準が高いのは、大手企業や老舗企業と呼ばれるところです。また、景気のよい業界や業績がよい企業も、他社より高い給与水準であることが多いでしょう。
ただし、人気があって競争率が高いため、入社自体が難しいといえます。また、給与水準が高い企業は、一般的に離職率が低いため、新規求人があまり出回らないのも特徴です。
働きながら実績を積んで収入アップを目指す
ひとまず希望の業界・業種に入社し、働きながら実績を積んで昇給・昇進を図り、収入アップを目指す方法もあります。募集職種は未経験でも、接客業経験者のポテンシャルを買う企業に入ることができれば、後は皆さんの努力次第です。
ただし、古い体質の企業では年功序列の部分が大きく、中途入社では思うように昇給・昇進できないことがあります。求人をチェックする際に、社風なども忘れずに確認しておきましょう。
転職エージェントの活用がおすすめな理由
転職エージェントを利用すると、未公開求人を含め、自分の希望条件に合わせて仕事を選べておすすめです。今まで接客業しか経験したことがない人も、応募書類の書き方や面接対策などの手厚いサポートを受けられ、転職の成功率が上がります。
転職エージェントの登録は基本的に無料ですから、複数登録して、より理想の条件に近い職場を探すとよいでしょう。
まとめ
接客業経験者は、コミュニケーション能力・ヒアリング能力・マルチタスク能力が高く、企業から「欲しい人材」として高く評価されます。まずは、自信を持って積極的に求人へ応募し、前向きな志望動機や仕事で身に付いた能力を提示し、自分を採用するメリットをアピールしましょう。
また、接客業経験者を積極的に採用している業界・業種を中心に、どんどん応募して場数を踏むことも大切です。そのための方法として、転職エージェントを上手に活用することも、転職成功への近道となります。